ロックやミュージカルの世界で活躍する方のレッスンをすると
どんなに高音が出てきても、地声で張り上げ続ける人がいます。
「そこは裏声にしてみよう」
と提案しても、
「この曲を、全て"地声"で歌いたいんです。」
と素敵な目標を聞かせてくれます。
高音を"裏声"にすることが"逃げ"だと感じている人が、実は多いことに驚きます。
確かに、世界で活躍するシンガーたちは、高音域も力強く地声の様に歌いこなしています。
ビヨンセのようなパワフルな声を出したい!
ステービーワンダーのような、ソウルフルな美声を出したい!
邦楽も、近年は特に男性曲の平均音域が、10年前より確実に広くなっていて
原曲キーのまま練習するのが難しい曲が増えていますよね。
しかし、高音を歌いこなすシンガー達は、決して全てを地声で歌っているわけではありませんはありません。 地声の様に聞こえるだけです。
声帯は声帯の周りにある筋肉(主にと甲状披裂筋)の働きにより、伸縮をして音程を操作しています。
伸びることによって高音を作っていますが、この伸びる長さには限界がありま輪状甲状筋す。
これが地声の限界値であり、正常な声帯の構造です。
伸びきった声帯は薄くなり、振動できなくなり、声帯粘膜という部分が振動を始めます。
これが裏声です。この状態で声を出すと息が漏れてしまう為、弱々しい声になります。
では、なぜ世界のシンガーたちの高音は、地声に聞こえるのか。
これは、裏声でも、地声のような声帯の状態に似せているからです。
これが、ミックスボイスやヘッドボイスと呼ばれる声になりますが、この声を出すためには複雑な声帯筋の働きが必要になります。
ミックスボイスを出す為に必要なトレーニング
ミックスボイスを習得するの初期段階には、声帯を伸ばす筋肉(輪状甲状筋)のトレーニングが最も重要です。そしてそのために、裏声のトレーニングが必須なのです。
つまり、力強い地声のような高音を出したければ、まず裏声を練習しよう!ということ。
裏声は決して逃げではありません。
むしろ、音域を広げる近道であって、ミックスボイスにも、ホイッスルボイスにも必ず必要なトレーニングです。
まずは、張り上げて歌うことを1週間だけ我慢して、裏声で歌ってみてください。
その先に、力強く、ソウルフルな魅力あふれる高音が待っています♪
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